■ 映画用語集 ■

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■ アイリス・イン、アイリス・アウト

 句読法の古いテクニック。レンズの前に絞りをつけて、それを開いたり(アイリス・イン)、閉じたり(アイリス・アウト)してシーンを始めたり終えたりする。画面の細部に注意を集中させるために使うこともできる。


■ アヴァンギャルド、前衛

 芸術を歴史的に進歩し発展するものとして見るなら、最先端の芸術家は同時代の芸術家より知的にも美学的にも発達していることになっている。最近では、芸術の定常論の発達で、アヴァンギャルドの概念は余り重要でなくなっている。アヴァンギャルド映画は一般的に非叙述的な構造をとっている。


■ アカデミー・アパーチュア

 1932年にアメリカの映画芸術科学アカデミーによって定められた標準フレームのマスク。横縦の比率は4:3あるいは1.33:1である。トーキー時代になって、サウンドトラックの分だけフレーム幅が狭くなったためとられた処置。(日本映画テレビ技術協会は1.37:1を標準にしている)


■ アクセス

 ある媒体を利用する権利。ラジオとテレビへのアクセスは厳重に制限されているが、印刷メディアへのアクセスはかなりオープンである。リアル・タイム・アクセスは、出版物のように中間過程なしに即座にそのメディアを利用することができる


■ アーク・ライト、アーク燈

 セットと映写機の両方で、高エネルギーの光を得るために使われる。日本のカーボン棒の間を流れる電流が、色温度が6000度K(ケルヴィン)に近い、強力な白色光線を作り出す。


■ アップスケール

 人口統計学の用語。洗練された趣味と自由にできる比較的豊かな所得を持つ、将来は多くが上流階級となる若い人々のグループ。このグループは視聴者の中で広告主にとって大きな価値を持つので、彼らの趣味がテレビ番組を左右することになる。


■ アート、芸術、美術

 元来この言葉はあらゆる種類の「技」のことを言うのに使われていたのだが、次第に美学的活動と関係のある、もっと特定の意味を持つようになった。現在では一般に厳密には実用的でない努力のことを言う。それらはデザインという実用芸術、建築のような環境芸術、絵画芸術、劇芸術、物語芸術、そして音楽芸術である。この言葉の様々な古い意味ははいまでもいくつもの派生語に現れている。すなわち「アルティザン」は職人であり、アーティストは芸能人である。


■ アナモフィック・レンズ

 カメラに付けるアナモフィック・レンズは、横長の映像を左右に圧縮してスタンダード幅のフレームにおさめる。映写機のアナモフィック・レンズはその映像を左右に引き伸ばす。


■ アニメーション

 生命のない物体をスクリーンの上で生命を与えられたかのように動かす方法。その方法にはフィルム自体に絵を描くもの、一コマずつ絵(セル)を撮影するもの、コマとコマの間に物体の位置を動かしてそれを撮影するもの(ピクシレーション)などがある。


■ アフレコ

 画像が撮影されたあとで音を録音すること。日本語の「アフレコ」は和製英語アフター・レコーディングの略。


■ あらつなぎ

 映画の編集過程での試作的段階。台本にしたがってフィルムを大雑把につないでみる作業。


■ アリフレックス

 1950年代末に登場した軽量のポータブル・カメラ。ヌーベルバーグの手持ちの撮影テクニックや、現代の映画撮影スタイルに不可欠のものである。アリフレックスのあと間もなく同類のカメラが数多く現れた。


■ アンサー・プリント

 完成した映画の、現像所からもどってきた最初のプリント。色彩値は修正(タイミング)を施されている。


■ アンダーグラウンド映画

 通常の資金源や配給機構と関係なく作られる、ふつう小予算の独立映画。即ち、非商業映画で、実験的な作品が多い。


■ 異化効果

 叙事的演劇の代表的な手法。


■ イーストマンカラー

 現在ほとんど世界中で使われているカラー・フィルム。テクニカラーのような染色転写プロセスではなく、ネガ同様、プリントを作るときにもフィルムに塗布された乳剤が発色する化学プロセスを採用している。多くの会社がイーストマンのフィルムを各の方式で処理しているが、違いは極僅かる。


■ 一巻もの

 長さが10分から12分の映画。サイレント映画の初期に沢山作られた。


■ 一般公開

 映画を広範囲にわたって同時公開すること。アメリカの場合、1500本ものプリントが流通する。


■ 移動ショット、トラッキング・ショット

 一般に、カメラが一点から別の点へ、左右あるいは前後どちらへでも、動くショット。カメラはトラックの上を動く台車や、ゴム・タイヤのドリーに乗せられることもあるし、手持ちのこともある。トラベリング・ショットとも言う。


■ 移動マット

 映画で、動きのあるシーンの合成画面を作る技法。例えば、地震、建物の崩壊、大洪水など。移動マスク、マット・ショットとも言う。


■ イメージ、映像

 映像は光学パターンでもあり心的経験でもある。(1)一枚の特定の画像。(2)一般にフィルムあるいはメディアの音に対する視覚情報。(3)視覚的な修飾表現。(4)さらには、非視覚的な修飾表現もある。したがって聴覚的、詩的、音楽的イメージを言うことができる。


■ 色温度

 光源によって作り出される光の優勢スペクトルの度合い。色温度の低い光源はスペクトルのレッドのほうに寄り、色温度の高いものはブルー、ヴァイオレットの方に寄る。例えば、太陽光線(理想的な白色光)の色温度は6000度K(ケルヴィン)であるが、家庭の白熱灯はもっとオレンジで色温度はおよそ3200度Kである。人間の神経系は、眼が知覚する光のスペクトルの変化に対して多くの自動調節を行っている。しかし、フィルムはそうではないので、正しく感光するよう調整しなければならない。


■ インサート、インサート・ショット

 シーンの意味を理解させるために補足的に、あるいは強調的に挿入する画面。例えば、手紙や新聞等の内容を示す細部の画面。


■ インターネガ

 ポジ・プリントの別のポジ・プリントを作るために起されたネガ。


■ インテルサット

 国際遠隔通信衛星協会の略称。創設1964年。この組織によって打ち上げられた通信衛星の名前でもある。


■ ヴァイタグラフ

 J・スチュアート・ブラックトンが1896年に設立した映画会社。エジソンの映写機「ヴィスタスコープ」や、グリフィスがいたバイオグラフ社の競争相手、1925年、ワーナー・ブラザーズ社へ身売りした。


■ ヴィスタスコープ

 エジソンの覗き見式「キネトスコープ」の映写方式版。


■ ヴィスタヴィジョン

 1950年代に、20世紀フォックス社が発表した「シネマスコープ」への対抗策としてパラマウント社が開発したワイドスクリーンの一方式。粒状性を小さくするためフィルムを水平移動して、2コマ分に1つの画面を撮影。これを縦にプリントし、拡大映写に際し天地をマスクしてワイドスクリーンとした。現在では普通のカメラで、撮影時に天地をマスクして同様のプリントを作りヴィスタヴィジョンまがい(日本でいうヴィスタサイズ)のワイドスクリーンが一般的になっている。時にはアカデミー・サイズで上映されるべき映画もマスクして上映されてしまう。


■ ヴィネット

 マスキングの技法。周囲はしばしばぼけている。


■ ヴォイス・オーヴァー

 映画やテレビの画面で姿のナレーター、アナウンサーの声。


■ ヴューファインダー

 カメラマンが被写体の映像を見るアイ・ピースのこと。非レフレックス・カメラはヴューファインダー用と撮影レンズ用と別々の光学システムを持っている。


■ エアリアル・ショット、空中ショット、航空ショット

 クレーン、飛行機、あるいはヘリコプターから撮影されたショット。必ずしも移動ショットとは限らない。


■ 衛星通信

 赤道上空2万2300マイルに地中の回転と同調して飛ぶようにされた人工衛星は、地球からみると静止していることになり、半永久的な送受信アンテナとして働かすことができる。人工衛星に詰まれた送受信機は地球からのシグナルを受信し、それを増幅し、送り返す。電話、テレビ、その他の情報伝達の衛星テクノロジーがここ数年間で急速な進歩を遂げ、テレビ産業の構造に大きな影響を与えた。


■ エキサイター・ランプ

 サウンド・トラックを読み取るために使われるランプ。


■ エスタブリッシング・ショット

 一般にシーンの始めか、それに近いところにあり、シーンの時間や場所、その他の出来事に関する基本的な情報を観客に与えるショット。ロング・ショットが一般的。状況設定ショットとも言う。


■ Fナンバー

 絞りの開口部の大きさ。Fナンバーが高いほど、開口部は小さく、カメラに入る光は少なくなる。F値、F数ともいう。Tナンバーで計るシステムもある。これはフィルムの膜面に当たる実際の光量をさらに正確に示す指標である。


■ FPS

 (1)一秒あたりのコマ数、即ちコマ/秒。frames per secondの略。(2)一秒あたりのフィート数、フィート/秒。feet per secondの略。


■ 演出

 フランスからきた言葉。もともとは演劇用語だが、映画の編集またはモンタージュの概念に対して、フレーム内部の演出を指す。


■ オーヴァーラップ・サウンド、かぶせ音

 サウンドトラック上の音の切り替えが映像の切り替えと同時でないこと。


■ 音ずれ、非同調

 音と画像がぴったりと同調していないことを指して使われる表現。


■ 遅回し、アンダー・クランク

 カメラのフィルムを遅く回すこと、即ち、通常の毎秒24コマより少ないコマ数で撮影すること。それを毎秒24コマで映写するとコマ落とし(動きが速く)に見える。


■ オーディオン真空管

 アメリカのリー・デ=フォレストが発明した真空管の名。最も簡単な型のものは格子によって分けられた2つの電極から成り、その間を流れる電流を変えることによってシグナルの増幅と変型が可能である。


■ オトゥール、作家、作者

 フランスからきた言葉で、個性的スタイルを持った映画監督のこと。


■ オプティカル、光学処理

 撮影現場や編集室ではなく現像所で完了される操作。例はディゾルブ、ストップ・モーション、ワイプ、ゴースト・イメージ、マット・ショットなど。


■ オプティカル・プリンター

 フィルムのプリントを複写する機械。多くの技術的な操作はオプティカル・プリンターで行われる。それらの操作の中にはオプティカル、色価のバランス、コントラストの補正などがある。


■ オープン・アップ

(1)レンズをオープン・アップするとは、絞りの開校度を増してより多くの光をカメラに入れることを意味する。(2)物語をオープン・アップするとは、シーンあるいはシークエンスを主舞台以外のところへ持っていくことを意味する。映画化される舞台演劇は「オープン・アップ」されなくてはならない、としばしば思われている。


■ オルソクロマティック、整色性の

 白黒フィルムの一タイプでスペクトルの青から緑の帯域に感光する。即ち赤色光に感じないフィルム。青感性フィルムともいう。


■ 音響効果

 台詞や音楽以外の、作り出された音のすべて。


■ 音素

 言語学で、識別可能な語、あるいは音の最小単位。



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