■ 映画用語集 ■

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■ 「カイエ・デュ・シネマ」誌

 アンドレ・バザン、ジャック・ドニオル=ヴァルクローズ、ロー・デュカによって1951年に創刊された実り多き映画雑誌。ゴダール、トリュフォー、シャブロル、ロメール、リヴェットその他が寄稿した。


■ 外示、デノテーション

 ある表現(言葉、映像、記号)の中に現れた字義通りの意味。例えば、「バラの花」の映像の場合、象徴や暗示を含まない、そこに見えているとおりの外面的意味。


■ 解像力(フィルムの)、鮮明度

 フィルムに関して使われる場合、映像の細部を明確に表現する能力を指す。粒状性の度合いのこと。


■ 解像力(レンズの)

 細部をはっきり識別できるレンズの能力。普通、1ミリの幅の間に何本の線を識別できるかによって測定される。


■ 画角

 レンズによって定められる視野の広さ。広角レンズは広い画角を持つ。望遠レンズは非常に狭い画角を持つ。カメラ・アングルと混同しないように。


■ かき落し機構

 カメラや映写機でフィルムを回す際、間欠運動を可能にする装置。普通はマルテーズ・クロース・ギア、あるいはかき落し爪で、映写機のアパーチュアの定位置に各コマを引いてきて、シャッターが開き閉じる間、それを固定しておく。一般に、トマス・アーマットが実用的なかき落し機構を発明したので映画が可能になった、とされている。最近では、回転プリズム・アパーチュアの発達によってかき落し機構の必要がなくなってきている。


■ 画素

 テレビ画像を作り上げている要素。コード化された光と影の領域の何百何千もの点の1つ1つ。


■ 画像比、縦横比

 映画やテレビの画面の高さと幅の比率。以前の標準であったアカデミー・アパーチュアは1.33:1である。ワイドスクリーン比率は様々で、ヨーロッパでは1.66:1が最も一般的だが、アメリカでは1.85:1である。シネマスコープやパナヴィジョンといったアナモフィック・レンズ方式はさらに横長で、2.00:1から2.55:1である。


■ 肩越しショット

 会話のシーンで一般的に使われるショット。カメラは聞き手の斜め後ろの1から話し手を写す。従って、話し手の顔と一緒に聞き手の頭と肩の一部が画面の中に入る。


■ カチンコ

 1つのショットに関するデータが書かれた小さな黒板で、そのショットの最初に撮影される。このとき、板の上に付いている棒で板を叩くのは、その音と映像を使って後で画像と音を同調させるためである。


■ カット

 (1)映画、テレビでは、1つの映像から別の映像への転換。(2)レコードでは、聴きたいところを探し出す目印となる他の帯と分かれた溝の帯。


■ カットアウェイ

 1つのシーンにインサートされ、他の場所でのアクションを示すショット。普通は短く、大抵のテレビやドキュメンタリーのインタビューのように、主となる画面の中断をカバーするために使われる。


■ 活版印刷、タイポグラフィー

 字義は活字による書写。組版の技術、活版術。最も単純で古い活版印刷は活字を用いる活字印刷である。活字原板から紙型を作り、紙型から紙型鉛版(ステロ版)を作ることもできる。これは曲面にして輪転機にかけることができる。活字はまた清刷りを作るのにも使われ、清刷りから写真製版で版を作ることができる。最近では金属の活字の代わりに文字のパターンのネガ・フィルムを使う写真植字が活版印刷を支配しつつある。
 印刷には大きく分けて4つの種類がある。活字印刷はインクの付着する画線部が、インクの付かない非画線部より高くなっている凸版である。グラビアは画線部が引っ込んだ凹版である。オフセット(リトグラフ)は化学処理で同一平面上に画線部と非画線部を作り出した平版である。シルク・スクリーンや謄写版などは、インクの浸透しない布や原紙にインクの浸透する画線部を作った孔版である。


■ 加入局

 アメリカのテレビ・ネットワークは法律によって5つのVHF、2つのUHFの放送局しか持つことができない。ネットワークのそれ以外の局は非公式加入局となり、契約に基づいて送られるネットワークの番組を配給する。それらは許容された不認可番組である。


■ ガファー

 映画やテレビのスタジオの照明責任者。「おやじさん」という意味。この助手が「ベストボーイ」である。


■ カメラ・アングル

 カメラの被写体に対する角度。即ちロー・アングル、ハイ・アングル、それにティルトである。画角と混同しないように。


■ カメラ・オプスクーラ

 写真カメラの祖先の1つ。「暗い部屋」という意味で、一方の壁に開いたピンホールがレンズの働きをして反対側の壁に像を結ばせる箱。


■ カメラ万年筆

 フランスのアレクサンドル・アストリュックが1948年にはじめて使った言葉で、映画芸術は小説やエッセーなどの芸術と同じ融通性と思想を持つ、と説く。ヌーベル・バーグに影響を与えた。(但し、日本ではもっと早く大宅壮一た今村太平がこれと同じ言葉を使っている)


■ カメラ・ルーキダ

 自然の情景を1枚の画用紙の上に投影させる装置。


■ 画面に内在する関心事

 映像の中にあって、作者の意図の有無に関わらず、見る人の関心や注意を引きつけてしまう対象や部分のこと。


■ カラー、色彩

 可視光線は、電磁スペクトルの一部分である。色彩の知覚は光の波長、あるいは周波数による。最も長い波長からはじめて最も短いものへ進むと、可視スペクトルの色はレッド、オレンジ、イエロー、グリーン、ブルー、インディゴ、ヴァイオレットとなる。これらが基本的色相である。色彩の知覚には2つの計測可能な要素、明暗と彩度がある。色彩の明暗とは、その輝度(発光体の場合)あるいは明度(反射体の場合)の度合いでもある。色彩の彩度とは、その色の色相の鮮やかさの度合い、あるいはその色と同じ輝度あるいは明度の灰色との違いの度合いである。カラーの映画、写真、印刷、テレビは、色彩の結合が他の色彩を生み出すという事実によって可能となっている。発光体の三原色はレッド、グリーン、ブルーである。カラー・テクノロジーは2つの相補的混色法を利用しているのでさらに複雑なことになる。その2つの方法とは、加色法と減色法である。発光体の加色法三原色はレンド、グリーン、ブルーで、減色法の三原色はマゼンダ(レッドとブルーの混合)、シアン(グリーンとブルーの混合)、そしてイエローである。


■ 眼球運動

 一点から別の点への素早い眼の運動。文字を読むときだけでなく映像や現実の光景を見るときにも起こる。


■ 間欠運動

 カメラや映写機の中のフィルムが走行する際に起きる運動。フィルムの光に当たる部分が一時的に静止しては次へと動いていく。


■ 感光速度

 光に反応するフィルムの度合い。アメリカの規格協会(ASA)によって考案された尺度で測定される。感光速度が速いほどASAナンバーは高くなり、感光性も高くなる。ハイ・スピードのフィルムは一般に、スロー・スピードのフィルムより粒状性が高い。


■ ガンマ

 フィルムのコントラストの度合い。高いガンマは強いコントラストを意味する。


■ キー・ライト

 被写体を照らす主照明。普通、カメラと被写体を結ぶ軸に対して45度の角度で設置される。


■ 疑似夜景、つぶし

 フィルターを使って昼間、夜のシーンを撮影する方法。


■ キネスコープ、キネコ

 テレビ・スクリーンを直接撮影したフィルムによるテレビ番組の記録。(従って映像の質は劣悪です)


■ キネトグラフ

 世界最初の映画カメラ。1988年にエジソンとディクスンが共同で開発した。


■ キネトスコープ

 キネトグラフで撮影した像を見るための装置。1889年、エジソンとディクスンが共同で開発した。


■ キネトフォン

 エジソンの下で1889年にディクスンが開発した発声映画装置。キネトスコープと蓄音機を結びつけたもの。キネトフォノグラフの略。


■ キノ・グラース、映画眼

 1920年代にソビエトのジガ・ヴァルトフによって提唱されたドキュメンタリー映画の運動。彼の映画『これがロシアだ!』は代表例。


■ 脚本、シナリオ

 映画あるいはテレビ番組用の台本。台詞とともにカメラの動きの大雑把な指定が含まれているのが普通だが、必ずしも必要ではない。正式には「フォトプレイ」という。


■ 逆モーション

 カメラの中を逆に走行したフィルムが映写機を通常の方向に走行すると、時間が逆に進む映像が作り出される。8ミリやビデオの場合、撮影時に通常方向に走行したフィルム、テープが映写機、再生機を逆に走行しても同じ効果が生まれる。


■ キューブ

 1977年オハイオ州コロンバスではじめて実用化されたワーナー・ケーブル社の双方向ケーブルテレビ・システムの名。


■ 狭域放送

 特定の視聴者へ送信する限定された放送。


■ 共示、コノテーション

 ある表現(言葉、映像、記号)の一義的な意味を超えた暗示、比喩、象徴、あるいは連想等による意味。


■ 魚眼レンズ

 超広角レンズ。ほぼ180度に等しい画角を持つ。映像は非常に歪められる。


■ 切り返しショット

 (1)被写体の反対側から撮られたショット。(2)会話のシーンにおける第二の話者のショット。


■ 切り替えマーク

 画面の右上の隅に、普通は連続して出る小さな点あるいは他の形の印。映写中に映写機にかけたリールが終わりに近づいたから次のリールをセットしたもう一台の映写機へ切り替えよ、という合図を映写技師に送る。


■ 記録フィルム

 撮影された対象の複製品としてのフィルム。芸術的内容をまったく含まない。


■ クセノン・ランプ

 不活性ガス、クセノンを充填した密封ランプ。コントロールされた色温度を持つ非常に明るい光を作り出す。大部分の映画機材で、アーク燈に取って代わっている。


■ グラス・ショット

 映画の特殊効果の一種。画面の一部が、カメラの前に設置された透明が板ガラスに描かれている。


■ グリップ

 セットで小道具を受け持つ人。


■ クレディット

 映画、あるいは放送番組の技術スタッフ、助手、出演者などを示すリスト。


■ クレーン・ショット

 クレーンから撮影されたショット。クレーンとは電話会社が電線を修理するのに使うチェリー・ピッカーによく似た装置である。


■ クロース・アップ、大写し

 (1)正確には、被写体の顔だけを写したショット。(2)一般には、接写。


■ クロス・カッティング

 2つかそれ以上のシーンのショットを交互につないで、並行アクションを見せること。


■ クロス・ライティング

 横からの照明。

■ クロマ・キー

 別々の映像を合成できるテレビの電子技術。映画のブルー・スクリーン、移動マットと似ているが、クロマ・キーの方が時間も経費もかからず、ずっと簡単にできる。


■ クロール

 テレビで一般的なローリング・クレディット(一方向に流れる字幕)。普通は番組の最後に出る。


■ 芸術映画、アート・フィルム

 アメリカでは50年代の中頃に明確な美学的主張を持った芸術映画(多くは外国映画)とハリウッドの伝統的な商業映画との間に区別が生まれた。芸術映画は、一般に限られた常連を相手にする小劇場「アート・ハウス」で上映され、商業映画はそれよりも大きい劇場で上映された。今日、映画活動の範囲は大きな広がりをみせており、芸術映画と商業映画という二分法は殆どされなくなってきている。


■ 劇場用映画

 テレビや教室などではなく、劇場で上映するために作られた映画。


■ ゲート

 カメラ、あるいは映写機のフィルムが通過する通路。ここでフィルムが露光される。


■ ケーブル・テレビ

 放送電波ではなく、電線によるテレビ送信。もともと、地理的条件が悪く、通常の放送が妨げられていた地域での受信を可能にするために開発された。ケーブル・テレビは通常放送の特別サービスであると同時に、非常に多チャンネルを供給する独立した業務に発展している。


■ ゲーム番組

 ラジオ、テレビの人気番組の1つ。見ている者を楽しませるお茶の間ゲームが基になっている。


■ 現実音

 音源が画面の中の物、あるいは人である音。


■ 現像

 フィルムの潜在映像を表出させる化学プロセス。もしフィルムが露光不足なら現像過度にして明暗のバランスをある程度取り戻すことができる。自然光のカラー撮影ではバランスのとれた映像を回復するために、しばしば現像段階でフィルムをいくつかの「絞り値」分だけプッシュする(現像過度にする)必要がある。


■ 顕微鏡撮影

 顕微鏡を通しての映画撮影。


■ ケンワージー

 サーボ・コントロールで動く融通性に富んだ小型クレーン装置。


■ 広域放送

 ラジオやテレビの、広い地域を覆う送信網。


■ 公開プリント、封切りプリント

 映画の劇場公開用と特別上映(試写など)用のプリント。


■ 広角レンズ

 非常に広い画角を持ったレンズ。奥行感が強調されるとともにまっすぐに見えるべきものが大きく歪む。


■ 光学トラック、オプトラック

 映画フィルムの光学サウンドトラック。電気信号化させた音をさらに光へ転換してサウンドトラックへ録音する方式。オプティカル・サウンドトラックの略。


■ 後退ショット

 カメラが対象物から引いて行って画面の全体を明らかにする移動ショット、あるいはズーム。


■ ゴースト・イメージ、ゴースト像、ゴースト

 (1)二重露光の一種。1コマ以上の専行する像が主画像と一緒にプリントされ多重露光の画像を作りだす。(2)テレビ受信における画像の混合現象。電波が山や大きなビルに反射して起こる。


■ 構造映画

 1960年代末に、アメリカ実験映画の理論家、P・アダムズ・シトニーが定義し、70年代にイギリス、ドイツなどで展開された映画形式。フィルムの物質性、光の明滅運動、物語性など、映画を成立させている構造と基本的な諸要素を扱う。


■ コード、サブコード

 記号学では、同一と見なし得る要素のまとまり、法則をコードという。対象を分析した後にはじめて明らかになるもの。映画についていえば、映画に固有の特定コード(カメラ操作や句読法など)と他の文化現象にも見られる非特定コード(台詞、音楽、物語)の2つがあり、特定のコードはさらにすべての映画にかかわる一般的映画コードと特定の映画だけにかかわる個別的映画コードに細分される。コードの理解が映画解釈を可能にする。


■ 小道具

 演劇や映画で使われる具体的なこまごましたもの。椅子、机、眼鏡、本、ペンなど。


■ コンティニュイティ

 ショット(画面)のつながりのこと。一般に、コンティニュイティがおかしくないよう責任を持つのはスクリプターで、つながるべきショットが何週間、何カ月離れて撮影されようと、それらの細部が一致するようにデータを記録しておく。


■ コントラスト

 シーンの照明の仕方とフィルムの特性の両方を指して使われる。ハイ・コントラスト照明は黒と白を明確に分ける。ロー・コントラスト(またはソフト・コントラスト)照明は主に中間の灰色を強調する。


■ コンピューター・フィルム、コンピューター映画

 コンピューターが、普通はブラウン管をとおして視覚情報をコントロールする映画。時には音もコンピューターがコントロールする。



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