■ 映画用語集 ■

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■ 対位法的な音

 映像に対して対位法的に用いられる音。画面内に音源は示されず、かつ画面内の視覚的表現とは対立するような音が使われる場合が多い。


■ タイ・イン

 映画やメディアのプログラムと連続した営利事業。よくある例は、ノベライゼーションやサウンドトラック・レコードの同時発売である。


■ 対抗番組編成

 アメリカで運営されているような3つのテレビ・ネットワーク・システムでは、ある一つのネットワークが競争相手と逆の番組を汲むことによって相手よりも高い視聴率をしばしば得ることができる。例えば、NBCとCBSがある特定の時間帯に探偵シリーズを予定したら、ABCはそれらに対抗してヴァラエティ番組を編成することによって、その時間に「勝つ」ことができよう。最初の2つのネットワークは同じタイプの番組の観客を分け合うことになるが、第3のネットワークは、少なくとも理論上は、残りの観客を獲得することになるからだ。


■ 第三世界の映画

 ラテン・アメリカ、アフリカ、アジアの発展途上国の映画。


■ 第三の映画

 アルゼンチンのフェルナンド・ソラナスとオクタヴィオ・ゲティーノの映画論。彼らの映画は商品でも前衛的な実験でもなく、革命意識の道具である。


■ 第二班

 補助的な映画スタッフ。彼らの仕事は、第一阪あ扱わない、外国の風景ショットや特殊ショットといった材料を撮影することである。


■ タイミング、焼度検定

 (1)映画で、白黒プリントを焼き付けるさいの露光調節。(2)カラー・プリントの場合、異なった時刻、場所、照明条件で撮影された様々なショットとシーンの色価を補正し一致させるプロセス。これによってプリントは一様になる。


■ ダイレクト・サウンド、直接音

 映像と同時に音を録音するテクニック。ダイレクト・サウンドはポータブル・テープ・レコーダーと防音カバーつきカメラの発達によって容易に実行できるようになっている。


■ダイレクト・シネマ

 1960年代はじめから、アメリカで優勢なドキュメンタリーのスタイル。シネマ・ヴァリテ同様、軽量で機動性のある機材に頼る。シネマ・ヴァリテと違うのは、映画作家が対象に巻き込まれることが許されていないことであり、事実、ナレーションの回避が特徴である。


■ 多重送信

 一つのプログラム・シグナルをもう一つのシグナルに重ねて、その周波数の電波のチャンネルを増やす技術。多重送信は、ミューザックのような完全に分かれたプログラムの送信にも、FMステレオや4チャンネル放送にも使われる。


■ 多重露光

 映画で、2つ以上のプリントを重ねた画面。マルチ・イメージと混同しないこと。


■ ダス・ノイエ・キノ(新しい映画)

 1965年以後の西ドイツ映画を指す言葉。ニュー・ジャーマン・シネマ。若い、優れた映画作家が輩出し、世界中の注目を集めるに至った。代表的な作家に、アレキサンダー・クルーゲ、ジャン=マリー・ストラウヴ、フォルカ・シュレーンドルフ、ヴェルナー・ヘルツォーク、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー、ヴェム・ヴェンダースなどがいる。


■ ダビング

 (1)吹き替え、アテレコ。原版の台詞を、それとは異なる言語で再録音すること。(2)吹き込み。アフレコ。映画が撮影された後で、設備の整ったスタジオで録音すること。


■ 短編

 普通、上映時間が30分以内の映画。


■ 注釈音

 映画の画面内の世界には属さない音。現実音の反対。


■ 抽象映画

 具象物を描写しながら、意味や物語を述べずに視覚的な面白さやリズム、詩的効果等を狙ったエイが。1920年代のフランス映画の中の前衛的傾向。


■ 超ステレオ音響

 5チャンネルの音の情報を供給する。映画サウンドトラック・システム。前方に3つ、後方に2つのスピーカーを使用する。


■ 直接衛星放送

 現在、通信衛星は地上の大放送局間の送信に一般に使われているが、家庭のテレビやラジオ受信機に直接放送するためには使われてはいない。直接衛星放送は世界中の一台一台の受信機に瞬時に送信するという展望を開く。


■ チョップソッキー

 格闘技やカン・フーを題材とした利益優先の映画。「ヴァラエティ」誌の造語。


■ ツー・ショット

 一つの画面の中に二人の人物をおさめたショット。同様に、スリー・ショットもある。


■ ディエジェーズ、説話

 フランス語で、映画の物語が含む虚構の時間と空間(映画の物語を構成する諸要素も含まれる)を指す。フランスで使用され、英語圏に入ってきた言葉で、記号学の文献によくみられる。


■ テイク

 一つのショットのヴァリエーションの一つ。映画作家はそれぞれのショットあるいはセット・アップで一つかそれ以上のテイクを撮影する。それぞれいくつかあるテイクのうち一つだけが最終的に映画に使われる。


■ ディゾルヴ

 映画で、一つのシーンから次のシーンへの移行。前のショットの終わりが漸次消えていくに従って、それに重なって次のショットのはじめが次第に現れる。ラップ・ディゾルヴとも言う。


■ ティパージュ

 タイプ(典型)を意味するロシア語。1920年代のソビエトでモンタージュ論が議論されたとき、モンタージュをうまく使えば、職業俳優よりも知ろうとの方が映画に向いていると考えられた。身体の容貌の特徴によって典型的なキャラクターを示し得るという説。


■ ディープ・フォーカス、パン・フォーカス

 カメラが捉えた視野全体に焦点が合っていること。手前から奥行まで鮮明に見える。1941年の『市民ケーン』(オーソン・ウエルズ監督)でカメラマンのグレッグ・トーランドが先鞭をつけた。


■ ディフューザー、散光器

 光の質を変えるためにライトの前につけられるゼラチン板。


■ テイル

 一巻のフィルムの終わりの部分。


■ ティルト・ショット

 カメラ本体は移動せず、カメラの首だけを上(ティルト・アップ)、または下(ティルト・ダウン)に動かして撮ったショット。


■ テクニカラー

 最初の実用的なカラー・フィルム・システム。最初のテクニカラー長編映画は『虚栄の市』(1935)であった。1942年、テクニカラー社はモノパック・システムを導入した。これは一台のカメラしか必要とせず、そのためカラー撮影に融通が利くようになった。しかし、カラーが標準になり黒白が例外になったのは60年代末になってからである。その頃までに、テクニカラーのテクノロジーはイーストマンカラーに取って代わられていた。しかし、テクニカラーは染色転写プロセスを用いていたので、イーストマンカラーの単なる化学プロセスよりも優れた色彩と長持ちするプリントを作り出せたため、プロセスとして存続し続けた。1970年代末以後テクニカラーは消滅しかかっている。現在、テクニカラーのプロセスを行っているのは中国だけである。


■ テクニカル・ディレクター

 テレビ番組の録画あるいは放送中にコントロール・ルームでの決定(いつ、どのカメラを使うかといったこと)を受け持つ責任者。


■ デクパージュ

 映画の画面構成、ショットの配列を指すフランス語。「古典的デクパージュ」とは、昔のハリウッド映画のスタイルである、なめらかな語り口を指すフランス語の呼称。


■ デュープ

 (1)ポジ・プリントからデュープ(複写)・ネガを作ること。また、デュープのリヴァーサル・プリントを作ること。(2)この方法で作られたプリンとのこと。


■ テレジェニック

 テレビの被写体として魅力的であること。


■ TVマスク

 湾曲した長方形であるテレビのスクリーンでは再生されない部分を隠すためにカメラのヴューファインダーに用いられるマスク。マスクの中のウ分を安全範囲と言う。


■ TV用映画、テレビ・ムーヴィー、テレ・フィーチャー

 フィルム撮影によるテレビ番組の一種を指す言葉。ドラマ番組と劇場用映画の中間のスタイル。


■ テレフィルム

 元来は、テレビ放送用の、フィルムで撮られた番組のことだったが、最近では、TV用の映画の意味を帯びてきている。TV用映画という呼称はぎこちないため、遠からずテレフィルムという言葉に取って代わるだろう。


■ テレプレイ

 (1)テレビ番組用の台本。映画の脚本をモデルにした語。(2)特にテレビのために書かれた劇、テレビ・ドラマ。


■ 伝記映画、伝記もの

 映画に撮られた伝記。特に1930年代と1940年代にワーナー・ブラザーズで作られたものを言う。


■ 電子銃

 電子ビームを供給するブラウン管の中の装置。


■ 電磁スペクトル

 周波数が毎秒0サイクル(ヘルツ)から10の23乗サイクル(ヘルツ)までにわたる放射の全域。宇宙線、ガンマ線、X線、紫外線、可視光線、赤外線、超短波、電波、熱線、電流がその中に含まれる。


■ 電磁スペクトル(2)

 ラジオ、レーダー、あるいはテレビに使われる電磁周波数の全帯域。このスペクトルはおよそ10Kヘルツ(毎秒1万サイクル)から30万mヘルツ(毎秒3000億サイクル)に及び、以下の領域を含む。10〜30Kヘルツの超低周波、30〜300Kヘルツの低周波、300〜3000Kヘルツの中波、3000〜3万Kヘルツの高周波、30〜300mヘルツの超高周波、300〜3000mヘルツのウルトラ高周波、3000〜3万mヘルツのスーパー高周波、そして、3万〜30万mヘルツの極超高周波。AMラジオの放送は中波帯で行われている。FMラジオとテレビの24チャンネルから13チャンネルまでは超高周波帯である。テレビの14チャンネルから83チャンネルまではウルトラ高周波帯である。


■ 電波妨害、ジャミング

 ラジオ局あるいはテレビ局のシグナルを故意に妨害するためにノイズ・シグナルを放送すること。


■ 等級

 映画における性的あるいは暴力的要素に基づく分類のシステム。イギリス映画検閲局は三段階の等級をつけている。U(一般向)、A(成人向、16歳以下の子供はオトナの付添がなければ禁止)、X(16歳以下の子供には不適)。アメリカではアメリカ映画製作者協会(MPAA)が四等級に分けている。G(一般向)、PG(子供には良心の同伴が望ましい)、R(大人の付添がない場合、18歳以下の者は禁止)、X(18歳以下の者は禁止)。


■ 同時音

 音源が画面の中に見えている。あるいは音源が画面と同次元にあることが分かる音。


■ 同軸ケーブル

 中心の薄い絶縁体と、そのまわりの伝導性の外被から成る電線。これによって放送局間やケーブル・テレビ・システムを通してテレビ・シグナルが運ばれる。


■ 同調、同期

 音と画像を互いに正しい関係に保つために機械、電気、電子、あるいは水晶発振を利用した装置が使われる。


■ ドキュドラマ

 実際の事件を題材として、半分フィクションを織り混ぜながらドラマ化した作品。ドキュラマは70年代はじめにア名かのテレビで人気のある主要番組になった。


■ ドキュメンタリー

 現実の題材を虚構化せずに記録した映画やテレビ作品。1920年代末、イギリスのジョン・グリアスンが広めた。


■ トーキング・ヘッズ

 被写体がカメラに向かってただ喋るだけの、テレビのニュース番組あるいはドキュメンタリー番組を指す俗語。

■ 特殊効果

 広範囲の装置やプロセスを指す広い意味の用語。スタント・マンによって演じられるある種の仕事。モデル・ショット、光学処理、カメラ内で行われる効果、マット・ショット。スクリーン・プロセス、ソラリゼーション、ネガ像その他多数含まれる。


■ 特殊効果ジェネレーター

 テレビのテクニカル・ディレクターがフェイド、ディゾルヴ、ワイプ、スプリット・スクリーンその他をリアル・タイムで作り出すことができる電子機器。


■ トーク・ショー、トーク番組

 (1)テレビ番組の一般的なタイプ。軽いインタビュー、会話、そして場合によっては演技あるいはニュースなどから成る。(2)トーク・ラジオ番組。


■ トーク・ラジオ

 ホストと出演者あるいはパーソナリティーとの会話で成り立つラジオの形式。聴取者の一人と電話で話すことも多い。


■ トッドAO

 70ミリ幅のフィルムを用いるワイドスクリーン・システム。『オクラホマ!』(1955)や『80日間世界一周』(1956)はこの方式でヒットした。


■ トラック

 (1)サウンドトラックのこと。(2)テープ上の互いに並行するいくつかの録音チャンネルのいずれかの一つ。一斉にあるいは別々に再生することができ、後にいくつもの方法でミックスされたり、一部変更されたりする。(3)移動ショットでその上にカメラが乗って動くレールのこと。


■ トランスポーター、送受信機

 シグナルを受信し、増幅し、送信する。例えば、通信衛星のような電子装置。


■ ドリー、移動車

 1組の台と車輪で、上にカメラを乗せてカメラに移動性を与えることができる。クラブ・ドリーとも言う。


■ トリートメント

 映画の物語を概略的に記述したもの。単なる粗筋よりもいくぶん長いが、完全な脚本よりは短い。


■ ドルビー

 フィルムやテープに固有のバックのノイズを殆ど聞こえなくする録音システム。


■ トレイラー、予告編

 短い宣伝用映画。まもなく公開される映画を予告宣伝する。


■ トレンデックス

 アメリカのラジオ、テレビの聴取率、視聴率を調査する主要な機関の一つ。無作意の電話による調査に基づく。別にアービトロンという会社もある。


■ トーン

 (1)写真の明暗を指す一般的な用語、色調。(2)音の音楽的な性質、音質。



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